起動しなくなったパソコンからのデータ救出で、いろいろ回り道したから記録しておく
「ジョニーさん、娘のパソコンが壊れたんだけど」
「修理屋さんに持って行ってください」
先日、同僚(女性)の娘さんのノートパソコンが起動しなくなりました。冒頭の会話は、その時にかわされたものです。
私はお断り申し上げたのですが、なし崩し的に状態を聞かされることになりました。
症状的にも年数的にも、ハードディスクの物理的な故障なので、修理または買い換えを強く勧めました。その際、データの復旧は難しいかもしれないことと、データの救出は別料金になる可能性があることも伝えました。
なし崩し的に依頼を受ける
次の日、なぜか私の机にはピンクのノートパソコンが載っていました。
「なんとか写真だけでもバックアップできないかしら?ジョニーさんがやってダメだったらあきらめるから」
普段お世話になっている方なので、無下に断ることもできず、とりあえず昼休みに診てみることにしました。
再度、症状とどのような状況でそうなったのかを聞いてみたところ。
- 何もしないのに
- フリーズして
- 電源を長押しして再起動したら
- 二度と起動しなくなった
とのことでした。
基本的にパソコンの不具合を訴える人の「何もしていない」は信用しないことにしているので、もう少し詳しく聞いてみたところ、ほぼ毎日24時間電源入れっぱなしとのこと。
MBRが破壊された可能性もありますが、かなりの確率でHDDが逝っちゃった様子。
Ubuntuですぐに解決すると思ってた
私が依頼されたことは、HDDの修復ではなくデータの吸い出しだったので、MBRの修復には最初から挑戦せず、CDからUbuntuを起動してハードディスクにアクセスすることを試みました。これなら昼休みでなんとかなります。
しかし、Ubuntuを起動してみたものの、HDDがありません。
あれ?妙に変だな
何度再起動してもやっぱりHDDがありません。
もしやと思いBIOSを確認したところ、やはりHDDを認識していませんでした。この時点で昼休み中の復旧はあきらめざるを得ませんでした。
勤務終了後、作業を再開しました。エアダスターでホコリを除去した後に裏蓋を空けてHDDを抜き差ししました。
するとすんなりBIOSがHDDを認識してくれました。
もしやこれで普通に起動するんじゃないか?
日本古来の方法
期待しながら待ちましたが、起動する気配がありません。
電源を入れ直すと、またHDDを認識しなくなります。
ああ、もう無理、時間の無駄だからあきらめよう
そう思い、最後の手段として本体をぶん殴りました。
その結果あっさりHDDを認識!
でもWindowsは起動してくれません。
初心に立ち返り復旧はあきらめて、HDDが認識されているうちにUbuntuを起動することにしました。
すると今度は無事にUbuntuからHDDにアクセスできました。
これでデータの救出ができます。
予想外にデータが大きかった
同僚からUSBメモリを受け取り、写真データと、マイドキュメント、デスクトップ、音楽データをコピーしようとすると(いつの間にか要求が増えてました)
容量が不足しています
の表示
調べてみると合計で35GBあります。渡されたUSBは16GB…無理です。約束していたわけじゃ無いので、外付けHDDの準備もしていません。
翌日に改めてやり直そうとも思ったのですが、次に起動したときにHDDが認識されるとは限りません。
無線より有線
職場の倉庫を漁ったら、最初期の無線LAN親機があったので、それを使って私のノートパソコンにデータを一次避難することにしました。
特に設定をしなくても無線LANを使えるUbuntuって凄えなあと思いながら、データを私のパソコンにドラッグ&ドロップしたところ、
あと15時間
の表示。帰宅できません。
朝間で放置することも考えましたが、色々と問題があります。
どうしたものかと考えていたら、閃きました
無線LANだから遅いんじゃん。有線にしちゃえ
無線LANの親機だから無線でと思い込んでいたのです。有線で接続したら、ただのHUBじゃないですか。
その結果、1時間ほどでデータの一次避難が完了しました。
どこまでも尽くしました
とりあえず一緒に残っていた同僚に、
「35GBあるから、64GBのUSBかポータブルHDDを用意してね」
と伝えたところ、
「よく分からない。お金だすから注文してね♪」
とのこと。
素直な私は、その場でiPhoneのamazonアプリを起動し、3000円のUSBメモリを注文しました。
最後に
同僚には、
- 修理に出してHDD交換してリカバリしたら使えるかもしれない
- OSがVistaだからそろそろWindows8にしなきゃならない
- 8を動かすには力不足だから買い換えも視野に入れよう
- 母(同僚)からのお礼は受け取らない、お礼をくれるなら娘(社会人)が出すように
と伝えました。
お礼なんて欲しくないし、むしろ二度と修理を依頼しないことのほうがよっぽどうれしいのですが、過去の経験(すでに何度か修理しています)から、同僚がお礼を持ってくることは予想できていたので、先回りして伝えました。
その結果、娘さんから今日、琥珀エビスが届きました。
次からは、まっすぐ修理に行ってもらおうと思っています。